そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

勉強法

レジー『ファスト教養』・ファスト教養をただ非難するのではなく「生き方」をまじめに考える本

レジ―著『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』(集英社新書、2022年)を読みました。レジ―さんは、企業に勤める傍ら、音楽をはじめとするポップカルチャーについて、ブログやその他のメディアで発信している方で、1981年生まれ。 「ファスト教養」は、…

「専門の事典を手元に置いて、ちょっと調べる」習慣のすすめ

私はいくつかの小型の専門事典(辞典)を手元において、ときどき参照しています。 「インターネットでたいていのことは調べられる」というのは、たしかにそうでしょう。私もインターネットで調べたり、確認したりということはしょっちゅう行っています。 で…

「気に入った著者をとことん追いかけて読む」ことの重要性

読書の大事なコツのひとつに、「気に入った著者の本を、とことん追いかけて読む」ことがあります。 これをきちんと行うと、読書を通じて自分の知的な世界を大きく広げることができます。「初心者レベルを超えることができる」いってもいいです。 その第一歩…

勉強というのは、結局は独学しかない

大人になってからの勉強は、結局のところ全部独学です。大人になったら、手とり足とり教えてくれる人は、もういません。書物や専門家といった情報のありかへ、自分で問いかけ働きかけていくしか、方法はありません。 勉強に必要な条件は、自分自身の意欲を別…

力不足を気にしない・必要レベルの2~3割でも自分の作品をつくり始める

勉強の極意は「作品化」だと、私は思っています。つまり勉強の成果をもとに自分の作品をつくること、そのための取り組みこそが最高の勉強だということです。 「作品」というのは、文章作品のほか、プレゼンやパフォーマンス、ビジュアルの作品、プロダクト製…

真似しよう、借用しよう。そして、そのことを隠さない

文章を書くなら、いいと思うものはどんどん真似しましょう。感動した言葉は、どんどん借りて使いましょう。どんなに真似したって、借りてきたって、あなたらしい個性は出てくるものです。良しにつけ悪しきにつけ、そうなのです。 そして、いろんな借用の組み…

頭を悪くする確実な方法

頭をよくする特効薬などありません。でも、悪くする確実な方法ならあります。それは、興味が持てないことをがまんして勉強することです。 これは、効きます。脳細胞を傷つけます。がまんして勉強することで、学ぶことがきらいになります。「何かに興味を持つ…

「あなたの中に眠っている才能」という言葉にご用心

私たちには特別な才能なんてありません。ふつうの教育を受けただけで、これといったものは何もない。私もそう。この現実は、あまり認めたくないものです。 だからつい、甘い言葉に耳を傾けてしまいます。「あなたの中にすばらしい才能が眠っていて、開花する…

何十回もくり返し読む本が、一生に1冊は欲しい

たいていの本は、拾い読みでいいと思います。私の場合、全部読む本は10冊に1冊です。でも、拾い読みだけで終わってはいけません。一生の間に、それこそ何十回もくり返して読む本に出会うのも大事だと思います。 そうでないと、いくら本を読んでも、頭の中が…

まず、「いいな」と思う人を応援しよう

会議や打ち合わせで、「なるほど」と思えるいい話をする人がいたとします。そうした場では、「それいいね」ということを、はっきり表現することです。できればその場で、気が小さくてそれができないなら、あとで個人的に。 いい話をする人は、その場の「主役…

机に向かっていては、本は読めない

「本は書斎や勉強部屋の机に向かって読むもの」と思っていると、読めません。自分を振り返ってみても、机に向かって読んでいる時間というのは、そんなに多くありません。 本が一番読めるのは、書店のそばのコーヒーショップに入って読むときや、帰りの電車の…

じかに教えてもらえなくても、最高の先生をさがそう

勉強では「誰に学ぶか」「誰を先生とするか」ということが、決定的に大事だと思います。 「先生」というのは、「こんなふうに考えることのできる頭になりたい」と思える人です。「その思考のすべてを真似したくなる人」といってもいい。 ここで「勉強」とは…

「カンタン世界地図」を描いてみよう・世界の地域区分早わかり

以下の地図にあるような「世界の地域区分」について知ると、世界史やニュースを理解するうえで便利です。ただし、区分の仕方については諸説あります。 世界の地域区分(秋田総一郎『一気にわかる世界史』日本実業出版社より) 西ヨーロッパ(西欧) ドイツ、…

「いつか読むかも」という本は買っておく(お金の許す範囲で)

ふつうの楽しみのための読書だったら、「これから読もう」と思う本を買います。でも、もっと深い勉強や、文章を発表するなどのアウトプットを志す場合は、ちがいます。 買うのは、「これから読もう」という本だけではありません。「今は読まないけど、いつか…

あなたの文章を読んでくれる人は、恩人

文章は書き続けないと、上達しません。どうしたら、書き続けることができるのでしょうか? 一番大切なのは「たったひとりでいいから、読んでくれる人をみつけること」です。人に読んでもらうあてのない文章を書くのは、むなしいことです。だから日記は、たい…

「バブル」「高度成長期」っていつのこと? 基本の年代をおさえる

カフェで隣のビジネスマンたちが「1995~96年」を「バブルの頃」だと話すのを耳にしたことがあります。でも日本の「バブル経済」は1986年から91年(あるいは 90年)にかけてのこと。 また、かなり有名な、ある映画のDVDのパッケージでは、映画の舞台の「昭和…

近所の図書館は、数百万冊の蔵書とつながっている

あなたの家や職場の近所に、公共図書館はありますか? 私の家から歩いて5分ほどのところには、まずまずの規模の市立図書館があり、よく利用しています。 ただ、私は図書館の机に向かうことはめったありません。本をさがしたり、本と出合ったりするために図書…

たまには、高価な本を買ってみる

たまには、少し高価な本を買ってみるといいと思います。高価な本をていねいに読むと、「具体的なデータなどをもとに、自分なりに考える」ことの練習ができます。 「高価な本」といっても、一部のマニアが集めるような、何10万円もするものではありません。4…

古典はつまらないのが普通、だから古典のまわりをうろうろする

「古典」とされる哲学や思想の本は、つまらないことが多いです。それは、古典が「あたりまえ」のことを古臭い文体でくどくどと書いているものだからです。 古典のメッセージは、当時は最先端でも、今の私たちにとっては常識です。後世に大きな影響を与えたと…

「芋ヅル式読書」で自分の世界をつくる

読書をしていて「いい本だな」と思ったら、同じ著者の別の本をぜひ読んでみましょう。また、その著者がとくにおすすめしている本があれば、それもできれば読みましょう。 そして優先順位は落ちますが、さらに興味があれば、つぎの「関連する本」のうちのどれ…

まず本屋さんへ行って、本を手に取ってみよう

「本を読みたいのですが、何か面白い本はありませんか?」と聞かれることがあります。でも、そういう質問は答えにくいのです。「こういうことを知りたいが、いい本はないか」というのなら、答えようがあるのですが。 ただばくぜんと「何かいい本はないか」と…

安く本が買える時代が終わる?

日経新聞(2022年4月2日朝刊)で知ったのですが、文庫本の新刊の平均価格は2021年に税抜きで732円となり、2001年の587円から約25%上がったのだそうです。税込みだと805円。 記事にもあるように、たしかに1000円を超える文庫本も最近は目につきます。 記事に…

ひとりになったとき、そこが自分の書斎

私にも、書斎と言えるものはあります。でもきちんとした個室ではなく、夫婦で暮らす集合住宅の一画を棚でラフに仕切った、3畳ほどのスペースです(「書斎コーナー」ですね)。 あとは、家のあちこちに本棚を設置して、本を並べています。友人に、「古本屋さ…

コラムを書いてみよう

このブログの記事はどれもコラムの一種です。コラムとは、数百~1000数百文字くらいの短い論説文のこと。論説とは、一定の事実・対象について説明や主張を述べたものです。「天声人語」などの新聞の1面のコラムは、500~600文字です。 私はこれまで、読者が…

本は買おう、でも図書館も使おう

あなたの生活する地域に図書館はありますが? 「ある」という人は幸いです。もし、読書したくても本にお金をかけられないなら、ぜひ図書館を活用しましょう。 でも読書の世界をさらに深めるなら、できる範囲で本を買うことも、やはりおすすめします。 あたり…

新書のすすめ・新書には、本の世界のエッセンスが凝縮されている

あまり読書したことがなくて、「どんな本から読んだらいいんだろう」という人には、新書がおすすめです。 新書とは、173ミリ×195ミリまたはそれに近い判型(サイズ)のシリーズ本のことです。岩波新書、中公新書、講談社現代新書などが、新書の代表的な老舗…

少し勉強したら、文章を書いてみよう

勉強というと、まず「教科書や本を読む」ことをイメージします。それも大事ですが、「考える力をつける」としたら、読んでいるだけでは足りないと思います。それだけだと、どうしても頭の使い方が受け身になってしまう。 考える力をつけるには、文章を書く必…

全部読む本は、10冊に1冊あればいい

本を、最初から全部通して読む必要はありません。「とばし読みでは頭に残らない、著者の主張はわからない」という人もいます。でも、「本を読むなら全部読まなくては」と思うから、本が読めないのです。ざっと目を通して、興味の持てるところ、理解できると…

大事なのは「誰に学ぶか」

勉強したいときは、まず「何か」を選ばないといけません。ただばくぜんと「何か勉強したい」というのでは、前に進めません。 ただ「強くなりたい」というのではなく、空手なのか柔道なのかボクシングなのかを決めて、どこかの道場の門をたたかなくてはならな…

中学の教科書を読んでみよう

学問全般の広い知識が得たければ、中学校の教科書を読むことをおすすめします。教科書が手に入りにくければ、学習参考書でもいいでしょう。 高校の教科書・参考書は、詰め込まれている情報が多すぎます。初心者には、ひとりで読み通すことが難しいです。 「…