そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

中学の教科書を読んでみよう

学問全般の広い知識が得たければ、中学校の教科書を読むことをおすすめします。教科書が手に入りにくければ、学習参考書でもいいでしょう。

高校の教科書・参考書は、詰め込まれている情報が多すぎます。初心者には、ひとりで読み通すことが難しいです。

「学校の教科書で勉強するのがいい」というのは、かなりの人が言っています。すると、ほとんどの人が高校の教科書で勉強しようとします。

でも、それではいずれ投げ出してしまう。私もそうでした。しかし、南郷継正さんという先生が「中学の教科書がいい」と言っているのを読んで、目をひらかされました。

中学の教科書(参考書)には、学問・芸術の最も基礎的で重要な成果がのっています。

歴史の教科書からは、日本史を中心とする歴史について、常識を知ることができます。理科の教科書には、物理学・化学・地質学・生物学などに関する初歩的な知識がつまっています。

保健体育の教科書には、生理学の初歩が書いてあります。美術の教科書や資料集には、誰もが知っておいていい美術史上の名作が並んでいます。

子どものときには、教科書はたいくつなものでした。しかし、大人になって読むと、幅広い知識がコンパクトに・みごとに編集されていることに感心します。

そして、その簡略さや密度の濃さが、子どもには読みづらい。教科書は本来、授業で先生に教わりながら読むものです。しかし、大人が読めば、無駄なく全体像が見わたせるのです。

教科書だけでなく、子ども向け(とくに小・中学生向け)の本を読むことは、ものごとの全体像や基本をつかむ上でいい方法です。

実際に「子ども向け」という本を手にとってみると、子どもには難しすぎる、詳しすぎると思われるものも多いです(たとえば岩波ジュニア新書)。いい内容であっても、です。でも、それがふつうの大人にはちょうどよかったりするのです。

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