そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

2024-01-01から1年間の記事一覧

ジャンヌ・ダルク 農家の娘の、国を救う戦い

「ジャンヌ・ダルクってほんとうにいたんですか」という人と話したことがあります。たしかに「伝説」っぽい人ですが、彼女は実在の人物です。 パリオリンピックが開幕します。「フランスといえばジャンヌ・ダルク(1412~1431)」ということで、彼女をごく手…

映画『ルックバック』感想・「自分の才能」と向き合う

先日、郊外のシネコンでアニメ映画『ルックバック』(押山清高監督)を、夫婦で観てきました。 人気漫画『チェンソーマン』の作者・藤本タツキによる同タイトルの短編(といっても150ページ弱あるそうです)をアニメ化したものです。「上映時間58分」という…

都知事選から思う・「何が嫌われているか」を察知することの重要性

今回の東京都知事選の結果をみて、とくに思ったのは、つぎのことです。 「政治において、与党や既得権側ではない、挑戦者あるいはアウトサイダーにつよく求められるのは、“有権者のあいだで何が嫌われているか”を察知することである」 その「嫌われている何…

ヘミングウェイ・氷山の水面下

7月2日は、作家アーネスト・ヘミングウェイ(1899~1961)の亡くなった日です(誕生日は7月21日)。 ヘミングウェイは「省略の文体」といわれる、シンプルで力強い表現で知られます。彼は自分の文章を「水上に現れる氷山の8分の1」に例えました。 書く対象…

「国家を拘束する」という憲法観と三権分立

「憲法とは、国家権力(政府)をも拘束する最高の法規である」という、古典的な憲法観を、私は信奉しています。 ただし、「そのような憲法観はもう古い」などという主張もあるようです。そこには「国家権力を法(憲法を頂点とする法体系)から解放して自由な…

じつは「知の巨人」・かこさとし

5月2日は、絵本作家かこさとし(1926~2018)の亡くなった日です。 かこは、昭和の後期~平成に「だるまちゃん」「からすのパンやさん」のシリーズや、数々の科学絵本など、生涯で600もの作品を残しました。 彼は、もともとは東京大学工学部卒の技術者です。…

インターネット空間の治安を守る「警察」が要る?

インターネットには、一般に普及し始めた頃、「国家やマスコミやその他の権威から自由な、開放的空間」というイメージがありました。ある種の「性善説」でインターネットをみていたわけです。 ところが今は、インターネットは、悪意や愚かさに満ちた、かなり…

浜口ミホ(ダイニング・キッチン開発)と三淵嘉子(「虎に翼」のモデル)

4月12日は、「日本初の女性建築家」といわれる浜口ミホ(1915~1988)の亡くなった日です。 彼女の代表作は、1950 年代に開発され大量につくられた、公団住宅(団地)のキッチンです。 当時の台所は一般に「日当たりの悪い、女中の仕事場」という位置づけで…

この30年余りの「失敗」「まちがい」を再点検しよう・日経平均の最高値更新

先週2月22日、日経平均株価は3万9098円の終値で、1989年末のバブル経済時代の最高値を更新しました。一応これは画期的なことといえると思います。 でも、1990年頃と比較してアメリカの株価(ダウ平均)は13~14倍になっているのに、日本は1990年頃の株価を30…

被害者意識による暴力の恐ろしさ・深刻さ

今現在のイスラエルによるガザ地区への攻撃をみていると、「被害者意識に基づく暴力の恐ろしさ・深刻さ」ということを強く感じます。 イスラエルは、直接的には2023年10月に行なわれたハマス(ガザ地区を実効支配するイスラム勢力)によるイスラエルへの越境…

『一気に流れがわかる世界史』発売

しばらく更新を休んでおりました。はてなブログのお仲間への訪問もできていないなか、告知の記事で再開というのは恐縮ですが、私そういちの新しい本が出るので、お知らせさせてください。 2月5日に、PHP文庫から『一気に流れがわかる世界史』(秋田総一郎名…