5月2日は、絵本作家かこさとし(1926~2018)の亡くなった日です。
かこは、昭和の後期~平成に「だるまちゃん」「からすのパンやさん」のシリーズや、数々の科学絵本など、生涯で600もの作品を残しました。
彼は、もともとは東京大学工学部卒の技術者です。40代までは会社勤めの傍ら絵本を発表し、その後専業作家となりました。
科学絵本での彼の創作の特徴は「徹底した研究」です。
本格的な科学の素養をもとに、「川」「海」「地球」「宇宙」「人体」「進化」「機械」「建築」等々のテーマについて(ほかの仕事と並行で)何年も研究したうえで描いているのです。製作時間の9割は、そうした研究に費やしました。
そんな彼の絵本の魅力は、深く豊富な情報です。そこには「物語性」と「知的な整理」の両方が備わっていました。
そして絵や図は、程良い緻密さとかわいらしさで、多くを語りかけてくる……
そんな作品を何百も残したのです。彼を「なつかしの絵本作家」とみるだけでは不十分で、「知の巨人」としてもみるべきでしょう。
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以上は、私がずっと書き続けている「四百文字の偉人伝」(その一部は出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンから電子書籍で出ています)としての「かこさとし伝」です。かこについてのより詳しいことは、こちらで。
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こちらは2024年2月に出た最新刊