そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

仕事・キャリア

「個の力を削ぐもの」を除去するリーダー・2人の代表監督の仕事ぶり

組織のリーダーの重要な役割として、次のことがあると思います。 「“メンバー個々人が能力を発揮するうえで妨げとなる要素”が組織のなかで大きくならないように、その発生を抑えたり、小さな芽のうちに除去したりすること」 これは、サッカーワールドカップ…

なつかしいFIRE(経済的独立による早期リタイア)というテーマについての経験談

「若いうちに資産形成をして、早期リタイアをしよう」という、FIRE(ファイア)といわれる考え方・ムーブメントがあります。 この記事では、FIREに関する私の経験を述べます。基本的に「FIREのすすめ」といえる内容です。 FIRE(ファイア)は、Financial Ind…

今日の名言 葛飾北斎 70歳までに描いたものは取るに足りない

【今日の名言】葛飾北斎(江戸時代の絵師・1760~1849) 私は6歳のころからモノのかたちを写す癖があり、50歳のころから多くの作品を発表してきたが、70歳までに描いたものは取るに足りない。 己(おのれ)六才より物の形状(かたち)を写すの癖(へき)あり…

プチ富裕層とのつき合い方・「プチ文化人」というポジション

この社会には「プチ富裕層」という人たちが存在します。一般的な定義はありませんが、ここでは「金融資産が数千万円~数億円」の人たちとします。大金持ちではないが、相当な経済力の人たち。 2019年の野村総研の推計によれば、金融資産5000万円~5億円の世…

給料はあなたの市場価値ではなく、権力の力学で決まる・ローゼンフェルド『給料はあなたの価値なのか』

この社会において「給料は何によって決まるか」「この人がなぜこの給料なのか」という問題――これは、人の生き方や価値観と深く関わるところがあります。 そこで感情的な要素も入ってくる。また、その人の立場によって給料についての経験や見聞はちがう。つま…

エントリーシートには「貢献」を具体的に書く・そして「具体的」とはどういうことか

昨日にひき続き、就活のエントリーシートに関する記事です。でも、この記事から読んでいただいて大丈夫です。そして就活とは関係ない方も、「文章術」に関する話として読んでいただけるかと。 私そういちは「世界史研究」「文筆業」の看板を掲げながら、新卒…

エントリーシートは音読して暗記する・エントリーシートは自分のために書く

私そういちは、もともとは会社員でしたが、今は「世界史研究」の看板を掲げ、その方面での商業出版などの実績もあります。そして、じつはそれなりに経験のあるキャリアカウンセラーでもあるのです。 私の専門は、学生さんや卒業後間もない若い方の就活支援で…

多作な人は、多作だからこそ書くことが尽きない

文章の世界でたくさんの仕事をしている人を見ていると、「多作なのに書くことが尽きない」のではなく、「多作だからこそ、書くことが尽きないのだ」と思えます。 どの分野にも、寡作な人と多作な人がいます。学問の世界でも、めったに論文を書かないまま定年…

今日の名言 夏目漱石 牛のように図々しく進め

【今日の名言】夏目漱石(明治~大正の文豪、1867~1916) 牛のように図々しく進んでいくのが大事です。 漱石が、若手だった頃の芥川龍之介(1892~1927)への手紙で述べた言葉。自分が本気で信じる道を、力強く・あせらず・根気よく進んでいこう。 *** …

ライト兄弟・大事なのは夢と野心と科学

1903年12月に原動機つきの飛行機による飛行を、史上初めて成功させたライト兄弟(アメリカ、兄ウィルバー1867~1912、弟オーヴィル1871~1948)。 このときの飛行時間は59秒間でしたが、のちの1908年9月には飛行時間は1時間半にまで伸びています。4月16日は…

今日の名言 ドラッカー 何によって人に知られたいか

【今日の名言】ピーター・ドラッカー(経営学者、1909~2005) あなたは何によって人に知られたいか。その問いへの答えは、歳とともに変わっていかないといけない。(『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社より) この問いを自分に投げかけてみましょ…

新しく何かを始めるために大事なこと・じつは「過去の仕事の再検討」

新鮮な気持ちで新しく何かを始めたいという方に、ぜひおすすめしたいのが「過去の仕事の再検討」です。 まったく新しい何かに取り組むのもいいのですが、じつは「以前に取り組んで未完成や不発におわった仕事を再検討する」のは、自分を発展させるうえで大事…

コロナ禍の時代の卒業生へ

卒業シーズンには、巣立っていく若者へのメッセージをよく見聞きします。先日私はラジオで聴いたつぎのメッセージに強い印象を受けました。コロナ禍でいろいろな「やりたいこと」ができなかったにちがいない、卒業生たちへの言葉。 それでもみなさんは、自由…

「ジョブ型・メンバーシップ型」で日本の雇用システムを読み解く

少し前に濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書、2021年)を読みました。 この本によれば、雇用システムの2つのあり方として「細分化した業務(ジョブ)に専門の労働者を割り当てる」(ジョブ型)と「多くの職務を遂行する労働者で組織が成り立…

「計画された偶然」と鍛錬

よく「明確なキャリア(職業)のプランを持とう」と言います。しかし、現実はなかなかプラン通りにはいかないもの。プランにこだわるより、現実に起きたことに柔軟に対応して自分を発展させるほうが重要です。 そこで、普段から準備や働きかけをして、より良…

がんばるなかれ 水木しげるの言葉

3月8日は漫画家・水木しげる(1922~2015)の誕生日。そして今年(2022年)は生誕100年。 水木さんの言葉に、“少年よ、がんばるなかれ”というのがあります。“ときどき怠けることは、生きていくうえで大切なことです”とも言っている。(水木しげる『がんばる…

「ニセの人望」ではなく、自分に合う人望を求める

福沢諭吉の『学問のすゝめ』に、こんな意味の一節があります。 「人望はその人の備えている能力や人徳によるものだが、そうでないことも多い。それは、見かけだおしの宣伝だけで売れているインチキ商品みたいなものだ」 つまり、実際の能力などに基づかない…

「大人の楽しい勉強」をめざす

世の中には、大人のための「勉強法」の本がいろいろとあります。でも、それらの多くに私そういちは違和感があります。勉強というものを、仕事の成功や資格取得などと安易に結びつける傾向が強いからです。 そのような成功を求めるのは、切実でもっともなこと…

つらくなったら、やめないで活動レベルを下げよう

勉強や趣味やその他の活動を、職業でもないのに続けていると、「もうやめてしまおう」と思うことがあります。 忙しさの中で、だんだんと意欲が衰えてくる。「自分も何かしたい」という気持ちが薄れてくる。 でも、そこでやめてしまうことはありません。もっ…

日本の若者が希望を抱きにくい原因は「社会の硬直性」か

内閣府が2013年に行った「若者の意識」についての国際的な調査があります。日本および6か国の若者(13歳~29歳)を対象としたもの。 その質問項目に「自分の将来に明るい希望を持っているか?」というのがあります。選択肢は「希望がある」「どちらかといえ…

小さな今川焼屋さん・「小商い」の理想?

NHKの朝ドラで、新婚のヒロイン夫婦が、移り住んだばかりの町で回転焼き(今川焼き)の店を始める話がありました。 時代は昭和30年代。2人はどうにか3か月暮らせるくらいの貯金はあるものの、ほかにはとくに何も持たず、仕事もない。ヒロインには、幼少時に…

大人も「将来何になる?」と考えてみよう

歌人の穂村弘さんは、ある時お母さんに訊かれました。「お前、将来何になるんだい?」 当時の穂村さんは40歳過ぎで会社の管理職。少し変な質問です。 “いやだなあ、お母さん、もう今が将来なんですよ”(『本当はちがうんだ日記』集英社文庫) でも、私そうい…

コミュ力重視の社会

今度の宇宙飛行士の選考は、理系の学歴・職歴を持たない人にもオープンになりました。発信力、つまりコミュニケーション能力(コミュ力)を一層重視するのだそうです。 最近の採用選考では、一般企業はもちろん、公務員でも技術者でも研究者でもクリエイター…

新しい目標のみつけ方・未完のプロジェクトの再検討

「何か新しいことをしたいけど、いいテーマがみつからない」という人には、まったく新しいことではなく「過去に取り組んだ未完成の取り組みを再検討する」ことがおすすめです。それは、文字通り未完成で終わったものだけではありません。一応終わったけど出…

ブルシット・ジョブ=どうでもいい仕事

人類学者のデヴィッド・グレーバーが打ち出した「ブルシット・ジョブ(bullshit jobs)」という概念があります。訳せば「クソみたいな、どうでもいい仕事」ということ。グレーバーによれば、今のホワイトカラーの仕事の多くが「どうでもいい仕事」である。た…