歌人の穂村弘さんは、ある時お母さんに訊かれました。「お前、将来何になるんだい?」
当時の穂村さんは40歳過ぎで会社の管理職。少し変な質問です。
“いやだなあ、お母さん、もう今が将来なんですよ”
(『本当はちがうんだ日記』集英社文庫)
でも、私そういちも40代で失業していた時、同じ質問を母から受けました(その後新しい仕事を始めた)。
じつは何歳になっても「将来何になる?」と考えるのは意味があるはずです。50代になった今も、私はときどき「将来何になる?」と考えます。
そもそも「将来が固まっていて先がみえている」なんて人、どれだけいるしょう?
以上のエピソードが載っている穂村さんのエッセイ集。