そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

『一気に流れがわかる世界史』発売

しばらく更新を休んでおりました。はてなブログのお仲間への訪問もできていないなか、告知の記事で再開というのは恐縮ですが、私そういちの新しい本が出るので、お知らせさせてください。

2月5日に、PHP文庫から『一気に流れがわかる世界史』(秋田総一郎名義)が全国の書店やオンラインの書店で発売になります。

本書は、2016年に出版した拙著『一気にわかる世界史』(日本実業出版社刊)を改題し文庫化したものです。

文庫化にあたり、元になった親本の出版から数年が経過しているので、さまざまな改訂・増補を行いました。とくに、現在の世界情勢にもとづく記述のアップデートは必要でした。

また、「世界史の時代区分(古代・中世・近代の三区分)」について論じた章を新たに加えたりもしています。親本のヨコ組みが、今回の文庫版では縦組みになるなど、編集・レイアウトも大きく変わりました。

私としては、単なる旧著の文庫化というよりも、以前の仕事にあらためて取り組み、新たに作り直したという気持ちです。親本の記述の骨格はそのままですが、細かい表記の変更も含めれば、ほとんどすべてのページに何らかの手を入れています。

拙著を見出して文庫化のオファーをくださった編集者の方、そして編集作業や校閲、デザインを担当してくださった皆様にお力をいただき、拙著は新たな命やチャンスを得た…そのように感じています。

すでに親本『一気にわかる世界史』を読んでくださった方も、手に取っていただければ幸いです。

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本書は、世界史の5000年余りの大きな流れを、大人が学ぶための本です。まったくの初心者の方にも読みやすいように、とことん気を使って書いていますが、世界史についてすでに学んだ方が、知識を整理するうえでも役立つでしょう。

世界史の授業や教科書は「あれもこれも」と詰め込み過ぎていると、私は思います。世界史全体の大きな流れも、わかりにくいです。

これに対し、「大人の世界史」である本書は、

1.こまかい年号や名詞にとらわれない
2.各時代におおいに繁栄した「中心」といえるメジャーな国をおさえることに徹する(古代ギリシア、ローマ帝国、秦・漢などの中国のおもな王朝、イスラムの帝国、ルネサンス以降のヨーロッパ、アメリカなど)

という方針です。

そして、以上の「中心」の移り変わりを追いかけていくと、世界史の大きな流れがみえてきます。世界史が一つのつながった物語になるのです。

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本書の親本は、さまざまな読者の方から「世界史の超入門書」として好意的な評価をいただきました。

たとえば、ネット上で「流れを理解させることに関し、こんなに親切な本はない」「ここまでコンパクトに全体像がわかる本はない」「本当に知識ゼロで読める」といった声があったのです。

また、当ブログで親本を知り、読んでくださった方がご自身のブログなどで取り上げ、評価してくださることが何度かあり、たいへんうれしく、ありがたく思いました。

*親本に対するアマゾンでのレビューはこちらで。2024年2月4日現在、23個の評価で平均4.4と高評価。

一気にわかる世界史

また、この親本は基本的には「大人向け」として書かれたものですが、「受験勉強をはじめる前の導入書」として評価してくださる学習塾関係の方もいました。この本だけで受験での点数アップは無理ですが、全体像を知り、世界史に興味を抱くための「導入」としては良い、ということでしょう。

都内のある大書店で、高校生の学習参考書コーナーに『一気にわかる世界史』が並んでいるのを、私自身がみかけたこともあります。

以上の親本の特長は、その改訂版である今回の文庫版でも変わっていないと確信しています。手にとっていただければ、うれしいかぎりです。