そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

文章・表現

今日の名言 ヘミングウェイ 「氷山の一角」で伝える

【今日の名言】アーネスト・ヘミングウェイ(作家、1899~1961) “作家は自分が書いていることを充分よく知って、わかっていることを省略したとしても、作家が真実を書いているかぎり、読者は作家が実際に書いたと同様に強くそれを感じることができるのだ” …

力不足を気にしない・必要レベルの2~3割でも自分の作品をつくり始める

勉強の極意は「作品化」だと、私は思っています。つまり勉強の成果をもとに自分の作品をつくること、そのための取り組みこそが最高の勉強だということです。 「作品」というのは、文章作品のほか、プレゼンやパフォーマンス、ビジュアルの作品、プロダクト製…

真似しよう、借用しよう。そして、そのことを隠さない

文章を書くなら、いいと思うものはどんどん真似しましょう。感動した言葉は、どんどん借りて使いましょう。どんなに真似したって、借りてきたって、あなたらしい個性は出てくるものです。良しにつけ悪しきにつけ、そうなのです。 そして、いろんな借用の組み…

10年頑張れば、本の1冊も出せる・「職業無料相談」の本多信一さんのこと

本多信一さん(1941~)という人がいます。1970年代から40年以上、職業・キャリアのことで悩む個人を対象に無料の相談(「職業無料相談」などと本多さんは呼ぶ)を行ってきた人です。ただし、現在は相談の仕事は休業となっているようです。 「無料」の相談で…

「論文入門」というより「学問全般への入門」・小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』

このあいだ小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書、2022年)を読みました。 本書の話をする前に、著者の小熊英二さん(1962~)について。それが本書を語るうえで大事なのです。ご存じの方も再確認ということで。 *** 小熊さんは著名な…

エントリーシートには「貢献」を具体的に書く・そして「具体的」とはどういうことか

昨日にひき続き、就活のエントリーシートに関する記事です。でも、この記事から読んでいただいて大丈夫です。そして就活とは関係ない方も、「文章術」に関する話として読んでいただけるかと。 私そういちは「世界史研究」「文筆業」の看板を掲げながら、新卒…

歴史上の偉人に敬称は要らないはずでは?

テレビで話す人が「太宰治さん」「湯川秀樹さん」「渋沢栄一さん」などと、歴史上の偉人(とくに近現代の偉人)を「さん」付けで呼ぶのを聞くことがあります。 私はそれがちょっと気になります。偉人などの歴史上の人物に敬称は要らない、というのが(活字の…

多作な人は、多作だからこそ書くことが尽きない

文章の世界でたくさんの仕事をしている人を見ていると、「多作なのに書くことが尽きない」のではなく、「多作だからこそ、書くことが尽きないのだ」と思えます。 どの分野にも、寡作な人と多作な人がいます。学問の世界でも、めったに論文を書かないまま定年…

コラムを書いてみよう

このブログの記事はどれもコラムの一種です。コラムとは、数百~1000数百文字くらいの短い論説文のこと。論説とは、一定の事実・対象について説明や主張を述べたものです。「天声人語」などの新聞の1面のコラムは、500~600文字です。 私はこれまで、読者が…

少し勉強したら、文章を書いてみよう

勉強というと、まず「教科書や本を読む」ことをイメージします。それも大事ですが、「考える力をつける」としたら、読んでいるだけでは足りないと思います。それだけだと、どうしても頭の使い方が受け身になってしまう。 考える力をつけるには、文章を書く必…

英訳して日本語に戻す・シンプルに書く方法

村上春樹さんは30歳頃に初めて書いた小説「風の歌を聴け」でデビューしました。この作品はいったん書きあげた原稿を、全部書き直して完成させたものです。 最初は一般的な小説の文体で書いたのですが、どうも納得できない。そこで最初の1章くらいを英訳して…

アウトプットのためのメモ・昔ながらの「5×3」情報カードを愛用しています

昔ながらのアナログの道具ですが、私は「情報カード」というものを愛用しています。メモするための、少し厚手の紙片。 いろんなタイプがありますが、私が使っているのは「5×3カード」という、5インチ×3インチ(125ミリ×75ミリ)サイズの無地のもの。それを、…

今日の名言 花森安治 どのように書くかというよりも…

【今日の名言】 花森安治(雑誌『暮しの手帖』初代編集長、1911~1978) どのように書くか、というよりも、何を書くかだ。 花森が編集長の雑誌『暮しの手帖』は、内容とともに文章のわかりやすさで定評がありました。花森の文章へのこだわりには、並々ならぬ…

今日の名言 井上ひさし むずかしいことをやさしく…

【今日の名言】 井上ひさし(作家・劇作家、1934~2010)井上麻矢『夜中の電話』(集英社文庫)より むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに書くこと。 井上さんはこの「基本姿勢」を記した紙を、つ…

今日の名言 デルブリュックの教え

【今日の名言】マックス・デルブリュック(分子生物学者、1969年ノーベル賞)講演・プレゼンにおける基本的な心構え…「デルブリュックの教え」 ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え。ひとつ、聞き手は高度の知性を持つと想定せよ。 いろいろなところで引用さ…

今日の名言 チャーチル

【今日の名言】ウィンストン・チャーチル(英国の首相、1874~1965)われわれの仕事を行うには、大量の書類を読む必要がある。だが、ほとんどの書類が長すぎる。 何かの計画にせよ報告にせよ、ほとんどのことは書類1枚程度で伝えられる。できないなら、考え…

「よい文章」の4つの条件

【条件1】シンプルでわかりやすく、正確に書かれている これは前提となる条件です。芸術的な文章というのもありますが、多くの人がまずめざすべきなのは、わかりやすい実用的な文章です。これが書けることは、生きるうえで重要なスキルです。 しかし学校教…