【今日の名言】
花森安治(雑誌『暮しの手帖』初代編集長、1911~1978)
どのように書くか、というよりも、何を書くかだ。
花森が編集長の雑誌『暮しの手帖』は、内容とともに文章のわかりやすさで定評がありました。花森の文章へのこだわりには、並々ならぬものがありました。
花森は「話すように書く」などの「書き方」とともに、むしろそれ以上に内容を理路整然と述べることを重視しています。
「書くべきことが、書くほうにわかっていなかったら、小手先でことばをもてあそんでも、なにもとどかない」と、花森は述べています。(唐澤平吉『花森安治の編集室』より)
文章が書けないのは、「何を書くか」が明らかでないから書けないのです。
たとえば論文やレポートが書けないのは、文才の問題というよりも、研究・調査ができていないから書けない、ということなのでしょう。
その研究で何をどのように明らかにしたのか、それにどんな意味があるのか、自分でもはっきりしないから、書けないということ。
これはあたりまえにも思えます。しかし、それを見失っていることも多いのでは?
引用文献 晶文社から単行本も出ています。