「本を読みたいのですが、何か面白い本はありませんか?」と聞かれることがあります。でも、そういう質問は答えにくいのです。「こういうことを知りたいが、いい本はないか」というのなら、答えようがあるのですが。
ただばくぜんと「何かいい本はないか」という人には、とにかく「近所の本屋さんへ行って、本を手に取ってみること」をおすすめします。
読書の最初のステップは、「本屋さんへ行くこと」です。
本屋さんに行ったら、まずうろうろしてください。普段のぞいたことのないようなコーナーにも行ってみてください。「へえ、こんな本もあるのか」という発見があるでしょう。
本屋さんのいいところは、洋服屋さんとちがって「今日は何をおさがしですか?」などと声をかけられないことです。だから、安心してうろうろできます。
読書の第2のステップは、「本を手に取ること」です。うろうろしてみて、ちょっとでも興味の持てそうな本が目にとまったら、すぐに手に取ってみましょう。ここでは、「何も考えずに気軽に手に取る」ことが大事です。
ビジネスの本をさがしていて、ふと料理の本が目にとまったとします。そのとき、「今さがしているのはこれじゃないから、あとで」などと考えてはいけません。すぐに、その本を手に取ることです。どんどん手に取って、パラパラめくってみる。つまらなかったら、棚に戻せばいい。
私が勤めていた会社の近所には、かなり大きな本屋さんがあって、昼休みによく行きました。「うろうろする」時間は、30分くらいでしょうか。その間に、10冊くらいの本を手に取っています。
勤めていたころの私は、本屋さんに全然行かない日というのはあまりなかったので、そうやって年間に「何千冊」という本と出会えるわけです。10冊手に取ると、1冊くらいは「買ってもいいかな」と思える本があります。
まず、1週間に30分ほど「本屋さんをうろうろする」ことをしてみてはどうでしょうか?
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