そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

自然科学は避けて通れない

「イギリス経験論」の大哲学者ジョン・ロック(1632~1704)は、大学で医学や自然科学を学びました。

「ドイツ観念論」の巨匠、カント(1724~1804)やヘーゲル(1770~1831)の学位論文は、天文学にかんするものでした。カントは、太陽系の起源を論じる「星雲説」を、ヘーゲルは「惑星の軌道」をテーマにしています。

共産主義の思想で知られるマルクス(1818~1883)の学位論文は、古代の原子論をあつかったものです。また、彼は数学の論考をいくつも残しています。

彼らのおもな業績は、人間の精神や社会の問題についての著作で、自然科学とは縁がなさそうにみえます。しかし、このように偉大な哲学者・思想家の多くが、若いころから自然科学や数学といった理系の学問に深い関心をよせていたのです。

大きな思想を築くうえで、自然科学的な知識や考え方は避けて通れないようです。おそらく、いろんな分野でそうなのです。

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私はいわゆる文系人間で、高校に入ってからは理科や数学の授業は苦痛でした。でも、巨匠たちを見習いたいと思っています。

といっても、一般向けの科学の解説書をいくらか読んだり、手もとに中学・高校の理科の参考書をおいて、たまに読むくらいです。科学者の伝記を読むのも好きです。

それは結構たのしい。学校の授業はいやだったのですが、興味があって、ある程度理解できるところを学ぼうとするなら、科学ってやはり面白いです。「世界ってこうなっているんだ!」というのがほんとうにわかる感じがするのです。

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