そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

本は買おう、でも図書館も使おう

あなたの生活する地域に図書館はありますが? 「ある」という人は幸いです。もし、読書したくても本にお金をかけられないなら、ぜひ図書館を活用しましょう。

でも読書の世界をさらに深めるなら、できる範囲で本を買うことも、やはりおすすめします。

あたり前のことですが、図書館の本は返さないといけません。返してしまえば、あとでふと思いついたときに、手に取ることはできなくなります。これは、やはり大きなデメリットです。

何かを考えたり書いたりしているとき、「あの本にこういうことが書いてあった」というのを読み返したくなることがあります。具体的な知識を確認したいときもありますが、何となく思い出して「もう一度読みたい」ということも多いです。

あるいは、自分の本棚に並んでいる一冊がふと目にとまって、手に取ることがあります。そして、ふと開いたページを読んでいると、新たな発見があったりします。ときには、「今自分が求めていたのは、これだ!」などということもあるのです。

こういうことは、読書の大事な楽しみです。このように「ふと読み返す」ことをくり返すうちに、読書を通じての自分の世界ができていくのです。

でも、図書館に返してしまった本は、ふと読みかえすことができません。だから、お金が許すなら、本は買いましょう。月に1~2冊でもいいと思います。

そして、自分の蔵書として蓄積していく。蔵書の蓄積とは「ふと読み返して、何かを発見する可能性」を蓄積することです。

***

しかし多くの人にとって、本代に使えるお金には限りがあります。だから、その限界を補う手段として図書館を使うのです。

つまり、本屋さんをぶらぶらしたり、読書したりする中で「読んでみたい」と思った本を全部買うわけにはいきません。買う本は選ぶ必要があります。それを見出すための、「本との出会いの場」のひとつとして図書館を使う。

たとえば何かでみかけた、気になる本があるけど、かなり高価でその中身がどうだかわからないということがあります。

そういう「気になる未知の本」を図書館で借りれば、家に持ち帰ってじっくり検討できます。

すると、「あまりよくない」ということもあれば、「いい本だ、欲しい」と思うこともある。後者であれば、フトコロ具合が許すときに買います。

「一度読んだ本を買うの?」と思うかもしれません。しかし「借りて読んだ本で、いいのがあったら買う」というのが大事なのです。

それから、図書館をぶらぶらして、ふと目にとまった本を手にとってみる、ということも重要です。

図書館に並んでいる本は、新刊書店とは傾向がちがいます。「最新」よりやや古く、いろんなものを分け隔てなく並べる感じ――それが図書館の蔵書の特徴です。

だから図書館では、「少し前に出たいい本で、見逃していた」というものを発見することがあります。大書店でもあまりみかけないようなマニアックな本で「これは」というものをみつけることもある。

そして、そうやってみつけた本を借りて読んでみて、「欲しい」と思ったら、書店に注文して買うこともできる。

できれば本は買いましょう。でも、図書館も使いましょう。図書館を使うことで、あなたがいい本と出会う機会はぐっと広がるはずです。

 f:id:souichisan:20220121100600p:plain