勉強法
世の中には、大人のための「勉強法」の本がいろいろとあります。でも、それらの多くに私そういちは違和感があります。勉強というものを、仕事の成功や資格取得などと安易に結びつける傾向が強いからです。 そのような成功を求めるのは、切実でもっともなこと…
学校の授業で世界史が嫌いだったという人は多いです。「出てくる国や民族、事件や年号が多くてイヤになった」というわけです。 でも、世界史を学ばないのはもったいないです。世界史は美術や文学、政治、経済などのさまざまな教養の基礎になっています。 ど…
私は、意志の強いほうではありません。お酒を減らそうと思うのですが、むずかしい。日記や家計簿も続いて2週間くらい。 そんな私でも、歴史や社会科学などの好きなことがらについて、本で勉強し文章を書くということだけは、30年来続いています。それで書い…
【今日の名言】 ブラジルのサンパウロで移動図書館を運営する元ホームレスの男性(NHKのテレビ番組より) 人生を立てなおす時、本は欠かせない。視野を広げてくれるからだ。 これは数年前にみたNHKの『世界ふれあい街歩き』という番組で、ある男性が述べた言…
本を読んでもわからないのは、あなたの勉強不足かもしれません。でも、書いた側の表現や説明の仕方が悪い、ということもあり得ます。 そもそも、内容じたいがめちゃくちゃだから、何を言っているんだかわからないのかもしれない。わからない本を無理して読む…
勉強は「基礎」から始めるよりも、自分にとって「面白いところ」から手をつけたほうがいいです。 「基礎」と一般に言われているのは、たいていつまらないところです。せっかくやる気になっているのに、そういうつまらないところに無理につきあっていると、意…
「小さなピース(断片)」は、今の文化の主流です。 たとえば、本1冊ではなく、ブログの短い記事や百数十文字のつぶやきを読む。音楽ならアルバム全体を聴くのではなく、1曲ずつダウンロード。長編の映画やドラマよりも短い動画。 この傾向は、すっかり定着…
評論家の吉本隆明(1924~2012)が、こんな意味のことを言っています。 「大学は行ったほうがいい。いい歳をして遊ぶことができるから。その経験があると、人生は違ってくる。独学者で偉大な人もいるが、遊ぶことを知らないので、考えが狭くなりがちだ」 で…
読書には、ふたつのものがあります。ひとつは、「自分の考え方をつくる読書」です。これと決めた、信頼できる著者を「先生」と思ってその本を丹念に読み、自分の核になる考え方をつくっていくことです。 もうひとつは、「自分の知識を広げる読書」です。「考…
たとえば、経済学を独学しようとしたとします。すると、教科書を選ばないといけません。 経済学の本はいろいろあります。その中から、自分の学力や関心に照らして教科書を選ぶのです。 「経済学」というのは大きなテーマですが、特定の時事問題のようなもっ…
【今日の名言】手塚治虫(マンガ家、1928~89)マンガからマンガの勉強をするのではなく、いい映画をみよう。いい音楽を聴こう。いい芝居を観よう。いい本を読もう。若い頃の赤塚不二夫らに語った言葉。赤塚は「本当に大事な教えだったんだ」と述懐している…
昔、ある男が偉いお坊さんに尋ねました。「念仏を唱えて仏道に精進しようとしても、すぐに眠くなってしまいます。どうすればいいでしょうか?」お坊さんは答えました。「起きているあいだに、念仏をとなえなさい」これは、高校の古文で読んだ『徒然草』にあ…