昔、ある男が偉いお坊さんに尋ねました。
「念仏を唱えて仏道に精進しようとしても、すぐに眠くなってしまいます。どうすればいいでしょうか?」
お坊さんは答えました。「起きているあいだに、念仏をとなえなさい」
これは、高校の古文で読んだ『徒然草』にある話です。その頃、私は大学受験を控え「睡眠時間を削って勉強しないとダメかな」と考えていたので印象に残りました。
無理に睡眠時間を削って勉強してはいけません。効率が悪く、長続きしないです。たしかに、ものすごく集中していると睡眠時間は自然と短くなるものです。
マンガ家の手塚治虫は、若い頃、人に「どうして眠るんですか?」と聞いたことがあるそうです。人並みに眠る感覚が理解できなくなるほど仕事に打ち込んでいたのです。
でも私たちは手塚のようにはいかないので、起きている間に勉強するしかないのでしょう。