今から100年ほど前の1918~1920(大正7~9)年に、「スペイン風邪」といわれるインフルエンザの大流行があり、全世界で5千~8千万人、日本では約40万人が死亡しました(死亡者数は諸説あり)。
日本におけるスペイン風邪について研究した速水融さんの本を読んで、おどろいたことがあります。
当時の日本政府はこの感染症への対策で、各府県に対しほとんど予算を出していないのです(政府の外郭団体からは若干出た)。一方で政府は、感染予防を呼びかけるポスターを8種類もつくっています。
また当時の医学に基づく(ただし有効性のない)ワクチンがつくられましたが、政府はこのワクチンの接種に熱心で、当時の日本の人口の9%=460万人に接種しました。これはこの時代としてはかなりの実績です。しかし、劇場の閉鎖などの行動規制には消極的でした。
それでも、スペイン風邪の日本での被害は諸外国にくらべ「最悪の事態は避けられた」といえるレベルでした。現代の「コロナ」といろいろ重なるところがあるのでは?
詳しくはこちらの記事で。