読書には、ふたつのものがあります。ひとつは、「自分の考え方をつくる読書」です。これと決めた、信頼できる著者を「先生」と思ってその本を丹念に読み、自分の核になる考え方をつくっていくことです。
もうひとつは、「自分の知識を広げる読書」です。「考え方」を身につけるだけでは足りません。いろんなものを読んで知識をたくわえることも、やはり必要です。
以上をまとめると、「つくる読書」「広げる読書」ということです。どちらか一方が欠けていると、考える力はつきません。
たくさんの知識を持ちながらアウトプットが苦手な人は、「つくる読書」をしてこなかったのです。寄せ集めの知識ばかりで、一貫した思考が不足しているので、考えがまとまらない。
一方、「考え方」にばかりこだわって「広げる読書」をしない人は、やはり視野が狭くなってしまう。読書は、「つくる」「広げる」の両方をしなくてはいけません。