勉強は「基礎」から始めるよりも、自分にとって「面白いところ」から手をつけたほうがいいです。
「基礎」と一般に言われているのは、たいていつまらないところです。せっかくやる気になっているのに、そういうつまらないところに無理につきあっていると、意欲がなくなってしまいます。
たとえ「それは初心者向きでない」と言われても、自分の興味のあるところから始めましょう。
興味があるということは、完全ではないにしても、あなたにはそれを消化する能力があります。まったく理解不可能なものに、興味をおぼえることはないからです。「面白い」と思う部分をまず手がけ、そこからだんだん興味を広げていくのです。
そういう「興味のおもむくまま」という勉強は、大切な基礎が抜けているために、壁に突きあたるかもしれません。
そのときこそ、「基礎」をやればいいのです。ある程度勉強したのだから、自分に何が欠けているのかということも、もうわかるはずです。
基礎の習得には、地道な努力が要求されます。でも「自分の興味を深めるのに、これが必要なんだ」と自覚していれば我慢できますし、結構楽しかったりします。何もわからないうちに「これが基礎だ」と言われて、なんとなく取り組むのとはちがうのです。
基礎をやる前に「楽しさ」を知るほうが先です。それを知ることが、本当の基礎です。「つまらない」という感覚からは、何も始まりません。