本を、最初から全部通して読む必要はありません。「とばし読みでは頭に残らない、著者の主張はわからない」という人もいます。でも、「本を読むなら全部読まなくては」と思うから、本が読めないのです。ざっと目を通して、興味の持てるところ、理解できるところだけを読めばいい。
そういうことにしておくと、気が楽になって、どんどん本に手を出すことができるでしょう。
だいたい、「最初からきちんと論理を追っていかなくては理解できない」などという本は少ないです。多くの本は、とばし読みを許さないほど厳密には書かれていません(小説のように、プロセスを味わって読む本は別です)。
その本であなたが興味を持てるところ、理解できるところにこそ、あなたにとっての価値があります。
つまらないところに無理につきあっても、頭に入らないので無駄になります。いつか、もっと勉強してから読んでみると、意味や面白さがわかるかもしれません。反対に「やはりつまらない」と再確認するかもしれません。
「とばし読みでいい」と思えるようになって、私は以前よりも多くの本を読めるようになりました。全部読むのは、10冊に1冊くらいです。
多くの場合、1冊通して読むよりも、その間に10冊を拾い読みするほうが、豊富な情報に接することができます。
そして、「10冊に1冊」というのは、拾い読みをしていくうちに「これはいい本だ」と思えて、つい全部読んでしまったものです。そういう本は、2度3度読むことが多いです。