歴史
紀元前400年代の古代ギリシアでは、何百もの都市国家(ポリス)が並び立ち、当時の世界で最も進んだ経済・文化が栄えていました。 最も有力なポリス・アテネ(人口20~30万人、都市部に限れば10~15万人)では、市民が主役の民主政治(民主政)が行われまし…
先日私は、現代史についての(大人向けの)世界史セミナーで、講師をつとめました。 私の講演のあとフリートークとなり、ウクライナの戦争について、参加者の1人からこんな発言がありました――「ウクライナの徹底抗戦は、多くの犠牲を生むことになる。戦いを…
私はこれまで、世界史についてみなさんにお話をするセミナーの活動を行ってきました。大人向けの世界史の入門書(『一気にわかる世界史』日本実業出版社、2016年)を出版した翌年からのことです。 貸会議室や公民館に集まったお客さんに「世界史5000年を一気…
今日は、私の世界史専門ブログ「そういち総研」に、ウクライナの歴史を簡略にまとめた記事をアップしました。 ウクライナという国は、大国が奪い合う「狭間の国」として、壮絶な歴史を歩んできました。それを「ウクライナという地域の支配がどのように移り変…
今日(2022年6月18日)、ポール・マッカートニー(1942~)が80歳の誕生日を迎えました。 特別なファンというわけではありませんが、ポール・マッカートニーという人は、最後の「20世紀の巨人」だと私は思います。あるいは「現存する世界最大の文化人」とい…
まず、前口上を。私は小学生2年のときに、学習マンガなどで「この地球上の生命は単純な微生物から30~40憶年かけて進化・枝分かれしたものだ」ということをはじめて知りました。そうだったんだ! とくに学校の図書館にあった井尻正二作・伊東章夫絵『先祖を…
『国富論』の著者アダム・スミス(1723~1790)と、「20世紀最大の経済学者」と言われるジョン・メイナード・ケインズ(1883~1946)は、時代は異なりますが、生まれた日は2人とも6月5日です。 2人は経済学の歴史のなかで「2大巨頭」といえる存在(また2人と…
漢字の書体で、私たちがまず習うのは楷書(かいしょ)という、字画を略したり続けたりせずきちんと書く書体です。 楷書 そして、やや崩れたやわらかい書体である行書(ぎょうしょ)や、さらに崩れた、流れるような書体の草書(そうしょ)もあります。 草書(…
以下の地図にあるような「世界の地域区分」について知ると、世界史やニュースを理解するうえで便利です。ただし、区分の仕方については諸説あります。 世界の地域区分(秋田総一郎『一気にわかる世界史』日本実業出版社より) 西ヨーロッパ(西欧) ドイツ、…
今の日本にとって最重要の長期的課題は「これからの繁栄の基盤をどうするか」ということではないでしょうか? この数十年の日本の繁栄の基盤は、「家電や自動車などの工業製品をつくり、輸出すること」でした。 しかし、この基盤は近年かなり揺らいでいます…
アメリカ大統領の来日ということで、今回はアメリカ史のことを。その中の評価できる・前向きな面について。 アメリカ独立革命(1776年~)を指導した「建国の父」であるジョージ・ワシントンやトマス・ジェファーソン。彼らはそれぞれ初代・第3代の合衆国大…
時代区分とは、歴史的な時間の流れをいくつかに区切ることです。日本史では「奈良」「平安」「鎌倉」……といった「〇〇時代」の区分が最もおなじみです。 世界史の時代区分では、「古代・中世・近代」の「三区分法」というものがあります。 【古代】紀元前350…
フィンランドというと、「ムーミン」「北欧デザイン」「ノキア」などが思い浮かぶくらいで、その歴史について、私たちはふつうはほとんど知りません。 でも最近はウクライナ戦争の影響でNATO(北大西洋条約機構)への加盟がすすめられていることや、首相の来…
権力者の汚職には、家族や親しい人のためのものが多いです。 たとえば何年か前には、当時の我が国の首相が友人の学校法人のため、あるいは隣国の大統領が姉妹同然の親友のため、不正を行ったのではという疑惑が持ち上がりました。そして、この大統領は退任後…
第二次世界大戦をひき起こした独裁者ヒトラー(1889~1945)は「ワイマール憲法」のもとで登場しました。 この憲法は民主的で、国民投票や大統領公選のように「国民が直接決める」ことを重視しました。なのに、独裁者を生んだのはなぜ? そこで、戦後のドイ…
1910年代のウィーン(オーストリアの首都)に、アドルフ・ヒトラー(1889~1945)という1人の貧しいフリーターの青年がいました。4月30日(1945年)は、戦争に敗れたヒトラーが自殺した日です。 少年時代のヒトラーは、画家を目指していました。美術学校の入…
先日、秋田県能代市を歩く機会がありました。能代は妻の郷里の近くで、県北部の中心都市です。 能代市は長いあいだ県内で県庁所在地・秋田市に次ぐ「2番手」の規模の都市でした。木材関連などの産業が栄え、能代港は、古くから県北部の木材・鉱物・コメなど…
ロシア革命(十月革命、1917)を指導し、初の社会主義国家・ソビエト連邦(ソ連)を建国したレーニン(1870~1924)。4月22日はレーニンが生まれた日。 「レーニン」は、数多くあった彼のペンネームのうち最も有名なもの。本名はウラジーミル・ウリヤーノフ…
世界最古の文字は、今から5300年ほど前にメソポタミア(今のイラク、シリア)のウルクという都市で生まれました。葦の茎を斜めに切ったペンで粘土板に刻んだ文字です。 5000数百年前というのは、文明の始まりの時代です。また、漢字の原型である甲骨文字の誕…
騎馬遊牧民とは「草原地帯に住んで馬を乗りこなし、遊牧(羊などの家畜を移動しながら育てること)によって暮らす人びと」の総称です。 彼らの根拠地はアジアからヨーロッパにかけての草原地帯。そこをおもな舞台に「トルコ系」「モンゴル系」など、世界史上…
この間、魚豊(うおと)『チ。‐地球の運動について‐』というマンガの1巻から7巻までを一気に読みました。前から気になっていた作品。 「チ」とは、地動説のことです。天動説を正統とする権力が支配する世界で、危険思想である地動説を探究し、権力による弾圧…
インド人はいつからカレーを食べていると思いますか? つまり、インドカレーはいつ生まれたのか。 【選択肢】ア.今から3000年ほど前 イ.1000年ほど前 ウ.500年ほど前 エ.200年ほど前 カレーとは「唐辛子・ターメリック・クミン等々の香辛料と肉や野菜などの…
以前にテレビでみたのですが、停電の際に、シーチキンの缶を明かりにする方法があるそうです。缶の中身にティッシュをよってつくった灯芯をさしこみ、火をつける。灯芯はシーチキンの油を燃料にして1時間ほど燃え続けるとのこと。 また、陶器や金属の器に食…
ウクライナのゼレンスキー大統領は、先日(3月17日)ドイツの連邦議会におけるリモート演説で「欧州の新しい壁を壊してください」と訴えたそうです。つまり「自由」と「非自由」を分かつ壁が、今の欧州にできているのだと。(日経新聞2022年3月18日など) …
エリック・ホッファー(1902~1983)という思想家は、“近代化とは基本的に模倣”だと述べています。それは“後進国が先進国を模倣”する過程であると。 そしてこうも述べています。 “自分よりも優れた模範(モデル)を模倣しなければならないときに苦痛を感じさ…
第二次世界大戦(1939~1945)による世界全体の死者は、軍人2305万人、民間人3158万人、計5400万人余りにのぼりました(ウッドラフ『概説現代世界の歴史』による)。 なお、1940年の世界人口は23億人です。2020年の世界人口78億人(23憶の3.4倍)で換算した…
ロシアによるウクライナ侵攻について、海外のある識者が「プーチンはヒトラーとナポレオンの過ちをくり返している」と述べているのを、ネットニュースでみかけました。 「過ち」とは、野蛮な侵略戦争そのものを言っているのではありません。かつて2人の強大…
このところ私たちは、ロシアを含むヨーロッパの地図をテレビやネットでくり返しみています。 そもそもヨーロッパとは何か? 地理学者のジョーダン夫妻(『ヨーロッパ』二宮書店)によれば、つぎの3条件をみたす地域のことです。 ①住民の多数派がキリスト教…
第一次世界大戦(1914~1918)は、西欧とロシアの狭間(はざま)である東欧の地域での、大国が中小の国家を攻撃する地域紛争をきっかけに始まりました。今のウクライナ情勢をみているとそのことを連想し、恐ろしくなります。 第一次世界大戦勃発の経緯は、以…
5000~4000年前のメソポタミア(今のイラクなど)には最古の文明が栄えていました。大河の水を利用する大規模な灌漑(かんがい)農業によって人口数万規模の都市がいくつも成立していたのです。 しかしこの地域では、灌漑農業を長く続けた結果「塩害」が深刻…