そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

人物・偉人

「理想の村」のむずかしさ

5月14日は、共産主義の運動家ロバート・オウエン(1771~1858、イギリス)の生まれた日。 オウエンは、裸一貫から身をおこし、紡績工場の経営者として事業を成功させました。そしてそれだけでなく、労働者の待遇改善や教育・啓蒙にも熱心に取り組みました。 …

ムーミンの誕生とフィンランドにおける戦争

フィンランドというと、「ムーミン」「北欧デザイン」「ノキア」などが思い浮かぶくらいで、その歴史について、私たちはふつうはほとんど知りません。 でも最近はウクライナ戦争の影響でNATO(北大西洋条約機構)への加盟がすすめられていることや、首相の来…

ナイチンゲールは何をした人?「白衣の天使」ではおさまらない

5月12日は、フローレンス・ナイチンゲール(1820~1910 イギリス)の誕生日です。そしてこの日は、彼女の誕生日にちなみ「看護の日」とされているそうです(1990年制定)。 ではそもそも、ナイチンゲールは何をした人だったのでしょうか? 多くの人を救った…

ヒトラー・元ホームレスのヨーロッパ制覇

1910年代のウィーン(オーストリアの首都)に、アドルフ・ヒトラー(1889~1945)という1人の貧しいフリーターの青年がいました。4月30日(1945年)は、戦争に敗れたヒトラーが自殺した日です。 少年時代のヒトラーは、画家を目指していました。美術学校の入…

レーニン・20世紀の革命を発明した男

ロシア革命(十月革命、1917)を指導し、初の社会主義国家・ソビエト連邦(ソ連)を建国したレーニン(1870~1924)。4月22日はレーニンが生まれた日。 「レーニン」は、数多くあった彼のペンネームのうち最も有名なもの。本名はウラジーミル・ウリヤーノフ…

ライト兄弟・大事なのは夢と野心と科学

1903年12月に原動機つきの飛行機による飛行を、史上初めて成功させたライト兄弟(アメリカ、兄ウィルバー1867~1912、弟オーヴィル1871~1948)。 このときの飛行時間は59秒間でしたが、のちの1908年9月には飛行時間は1時間半にまで伸びています。4月16日は…

今日の名言 ヘーゲル 従僕の目に英雄なし

【今日の名言】ヘーゲル(ドイツ観念論の哲学者、1770~1831) 従僕の目に英雄なし。 この言葉は、哲学者ヘーゲルの『歴史哲学講義』(上・下、岩波文庫、長谷川宏訳)で知りました。ヘーゲルの創作ではなく、「そういう言葉がある」という形で紹介されてい…

レイチェル・カーソン・『沈黙の春』の著者は物静かな自然オタク

4月14日は『沈黙の春』の著者、レイチェル・カーソン(1907~1964、アメリカ)の亡くなった日です。彼女は科学者で、科学啓蒙書の著者として成功した人です。 彼女の代表作『沈黙の春』は、1962年に出版されました。農薬による環境破壊を警告した、今のエコ…

命を縮めるほど精一杯だった・トキワ荘のマンガ家たち

画家や作家には、長寿の人の大勢います。でも、マンガの基礎をつくった巨匠には、長生きしなかった人が目立ちます。 亡くなった歳は、手塚治虫、60歳(1989年)。藤子・F・不二雄、62歳(96年)。石ノ森章太郎、60歳(98年)。赤塚不二夫、66歳で病に倒れ、…

自然科学は避けて通れない

「イギリス経験論」の大哲学者ジョン・ロック(1632~1704)は、大学で医学や自然科学を学びました。 「ドイツ観念論」の巨匠、カント(1724~1804)やヘーゲル(1770~1831)の学位論文は、天文学にかんするものでした。カントは、太陽系の起源を論じる「星…

「真理を知りたい」という欲求

医師ウィリアム・ハーヴィー(1578~1657)は、「血液循環」の発見者です。4月1日はハーヴィーの誕生日。 「心臓の働きで血液が体内を循環していること」は、私たちには常識です。しかしハーヴィー以前には、明らかではありませんでした。 彼の研究は、長い…

「科学くん」の実験

1600年頃のイタリアにサントリオ・サントリオ(1561~1636)という医師がいました。イタリアにはこういう「姓と名が同じ」名前があるそうです。ガリレオ・ガリレイもその類です。3月29日はサントリオの誕生日。 彼は、人間の体重変化を研究するため「人間が…

計量カップの考案者・香川綾という昭和の巨人

あなたは、台所で使う「計量カップ」や「計量スプーン」(大さじ・小さじ)を生み出したのが、日本人であることを知っていますか? それらは、医師で栄養学者の香川綾(かがわあや、1899~1997)が、1948年頃に考案したものです。3月28日は彼女の誕生日です…

コロナ禍の時代の卒業生へ

卒業シーズンには、巣立っていく若者へのメッセージをよく見聞きします。先日私はラジオで聴いたつぎのメッセージに強い印象を受けました。コロナ禍でいろいろな「やりたいこと」ができなかったにちがいない、卒業生たちへの言葉。 それでもみなさんは、自由…

仕事の手を止めない人たち

東日本大震災(2011年)のあった3月11日には、亡くなった方たちを悼む人の姿がみられます。少し立ちどまって、日常の手を止めて、それは行われます。意義のある、大事なことです。 一方で大災害に直面したときでも「とにかく、ふだんの仕事の手を止めない」…

芥川龍之介のイメージ・必死に闘う姿

3月1日は、作家・芥川龍之介(1892~1927、明25~昭2)の誕生日です。 芥川龍之介は、写真のイメージではいかにも知的でクールです。心を病んで35歳で自殺したので、病的で暗い印象もある。社会に関心の薄い「芸術至上主義」だともいわれます。 そして、「東…

蘭学(異端の新しい世界)をみつけて創造的に生きる

「創造的に生きるには、自分なりの“蘭学”をみつけることだ」と私は思います。ここでいう蘭学とは「評価が定まっていない、異端の新しい世界」のこと。 江戸時代の日本は、オランダ以外の西洋には国を閉ざしていました。しかし一部の先覚者は西洋文明の優秀さ…

「一流」はブレない・巨匠ダーウィンに学ぶ

チャールズ・ダーウィン(1809~82、イギリス)と同時に同じ主旨の「自然選択による進化論」を発表した科学者がいました。アルフレッド・ラッセル・ウォレス(1823~1913、イギリス)です。 進化論は神がかりを否定して唯物論的に生命を説明します。つまり「…