そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

なじんだ店やモノがなくなることが増えた

最近、沿線にあるよく行った喫茶店が閉店してしまいました。チェーン店なのですが、アルバイトの店員さんがコーヒーを持ってきてくれる昭和的なサービスの店でした。

オープンして40年経ってかなり古びてはいましたが、懐かしい感じの広々した店内の雰囲気が好きでした。

それにブレンドコーヒーは300円台で(注文したものを持ってきてくれる店としては)安かった。高校時代から50代になった現在まで、人生で一番コーヒーを飲んだ店でした。

それから、このあいだ新宿を歩いていたら、駅の近くのおなじみの大きな文具屋さんも閉店していました。

やはり学生時代からいろんな文具を買ってきた店です(文具を買うのは好き)。この店も40年くらいやっていたはず。文具屋さんも、ネットで買う人が増えて大変なのでしょうか。

細かいことですが、この20年愛用していた箱入りのクリームシチューのルーも、新製品に押されて廃盤になったのか、近所のスーパーの棚から消えてしまいました。

こういうことが最近増えました。若いころからなじんできた店やモノがなくなるのは、私も中高年なので「時代遅れ」になってきたということかなあ。うーん。

そういえば「時代遅れ」で、イッセー尾形さんの1人芝居での台詞を思い出しました。

“時代っていうのは、時代ど真ん中の奴ら、これからの若いの、それと時代遅れもいて、ひとつの時代なんだ。”

いろんな人物を尾形さんが自作自演する演目のひとつで、時代遅れのフォーク歌手に扮し、そんなことを語っていました。

まあ、時代遅れでもいいか。それも時代の一部だ。

閉店したその喫茶店は、価格が安いせいもあってか、「時代のど真ん中」や「時代遅れ」のほかに「これからの若いの」も結構いました。店が「ひとつの時代」になっている。そういうところも、好きでした。

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好きだった小倉トースト

 

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