【今日の名言】
ガリレオ・ガリレイ(近代科学の父、1564~1642)
どうして人の報告を信じるばかりで、自分の眼で観察したり見たりしなかったのですか。
(ガリレオ『天文対話』より)
2月15日はガリレオ・ガリレイの誕生日。ガリレオは、真理を実験的に確かめる、近代科学の方法の開拓者です。
ただし「ピサの斜塔からの落下実験」というのは事実ではありません(板倉聖宣『科学者伝記小事典』仮説社)。
しかし、彼はいろんな実験や観察の方法を考案しました。たとえば、発明されたばかりの望遠鏡を天体観測に用いて、月の凹凸や木星の衛星を発見。
落下運動の研究では、瞬間的で測定困難な落下運動の代替として振り子の運動を調べたり、さらにはレール状の斜面をつくって球体を転がし、その速さを計測したり。
そのような実験・観察で、古代ギリシア以来の権威である天動説(地球中心説)やアリストテレスの力学理論をくつがえす研究を行った。その過程で、時の権力のローマ教皇庁から弾圧も受けた。
そんなガリレオですから、「人の報告をうのみにしないで自分で確かめよう」という言葉は重みがあります。
私たちも本格的な実験まではいかなくても、人の話を安易にうのみにせず、信頼できる本などの情報源にあたったり、現場を確かめたりしていきたい。
いや、そこまでできなくても、せめてネットを検索すればすぐにわかることくらいは、確かめたほうがいいのでしょう。
ただし、「権威をうのみにせず、自分で確かめよう」というのは、最近は「取扱い注意」になってきました。権威や当局のいうことの信頼性をネット検索で確かめようとして知った、あやしい少数説にハマってしまうことも増えているからです。
ネットでみつけた素性のわからない人のいうことを「真理」と思い込む前にこそ、ガリレオのこの言葉を思い出したほうがいいのでは?