【今日の名言】
ゴース、ワインバーグ著『ライト、ついてますか 問題発見の人間学』より
私は(われわれは)その問題を本当に解きたいか?
ゴースとワインバーグは技術的問題に詳しいコンサルタント。問題に対処するとき、この言葉で自問してみては?
私たちは労力の割に解くに値しない問題にまじめに取り組んでしまうことが多いです。あとでみて「本当に解決すべきだった」ということは案外少ないのでは?
引用元の『ライト、ついてますか 問題発見の人間学』(共立出版、木村泉訳)の原著は1982年刊。昔の本ですが、メッセージに含蓄があります。
たとえば「問題によっては、それを認識するところが一番むずかしい」「解決方法を問題の定義と取り違えるな」「結論にとびついてはいけないが、第一印象は無視するな」「それは誰の問題か?」等々。
クセが強く読みにくいところもありますが、好きな本です。
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この本のタイトル「ライト、ついてますか」の話はこうです。
スイス山中の長いトンネルの入口に「前方にトンネルあり。ライトをつけよ」という、ドライバーにむけた標識があった。
しかし、トンネルを出た先の眺望スポットに止まって休憩した車で、ライトがつけっ放しのためバッテリーが上がるトラブルが続出。
そこで当局は、つぎの標識をトンネルの出口に設置した。
もし今が昼間でライトがついているなら
ライトを消せ
もし今暗くてライトが消えているなら
ライトをつけよ
もし今が昼間でライトが消えているなら
ライトを消したままとせよ
もし今暗くてライトがついているなら
ライトをついたままとせよ
運転中にこんなの読んでいられない。本当はシンプルにこう書けばいい。
ライト、ついてますか?
注意喚起をして、あとはドライバーが状況に応じて判断すればいいのです。でも、世の中では「もし今が昼間でライトが…」的な対処が多いですね。