今から30年余り前、私そういちが若者だった1990年頃、活字文化はまだそれなりに元気でした。当時の私は読書好きの1人として、社会・人文系の古典を読むことに大きな意義を感じていました。古書店にも足を運びました。
インターネットはなく、パソコンも普及はまだ。ワープロ専用機で書いた文章を印刷し、仲間との集まりで配ったりしました。
ところが今はどうか? 今どきそんな古典を読むのは専門の研究者やマニアなどの、特殊な関心の人だけではないでしょうか。
また、最近の私は古書店に行くことが減って、古本はおもにアマゾンで買っています。書いた文章を最初に発表するのは、たいていは自分のブログです。
知識・情報のやり取りに関する環境は、たしかにこの30年で激変したのです。
今50代半ばの私は、その新旧2つの世界をそれなりに体験できた世代。新しい世界に戸惑うことも多いですが、こういうブログをしたり、どうにかやっています。記事のネタは、おもに若いころから親しんだ活字の世界からです。
私の「2つの世界」の体験は、どちらも中途半端かもしれません。それでも、両方の世界を知ることができて良かった。