今年の正月の日経新聞に載った、有名な総合商社の全面広告でこんなメッセージが述べられていました。
「いま、世界はかつてない転換期」
「これまでの常識が通じない」
そういえば、私が若手社員だった30年余り前にも、新年に私の会社の社長はそんなことを述べていました。みなさんも同じような話を、何度も聞いたことがあるのでは?
「かつてない転換期」は、リーダーの新年の挨拶での常套句として、この数十年間は変わらず安定しているようです。
それにしても、こういう常套句で時代認識を語る人は、ほんとうに「いまは転換期」だと思っているのでしょうか?
この20、30年、世界や日本に大きな変動があったのはたしかだと、私も思います。
でも「いまは転換期」という台詞がくり返されるのは、その変動を深く受けとめてこなかった、日本のリーダーたちの認識をあらわしているのではないでしょうか。