そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

猿を背負って戦う選手たち・オリンピックという場所

錦織圭選手は、こう述べているそうです。

《小さい頃に“背中に猿を背負うな”と言われました。よけいな思いや、プレッシャーを背負いすぎるなと。》
(「錦織圭公式サイト」より)

なるほど「猿を背負う」か。たしかに「動きを制約する猿」には気をつけないといけないのでしょう。

冬季オリンピックをみていると「どの選手も、猿を背負って戦っているんだな」と感じます。

なにしろオリンピックです。自分の努力だけでなく、多くの人のアシストを得てここまで来た。ライバルを破って代表の座をつかんだ。応援してくれる人たちがいる。マスコミも注目している。

これで、猿を背負わない人間はいない。「ムラ社会的」といわれる日本人に限らず、世界中どこでもそうではないか。

コーチ的には「猿を背負うな!」というのは当然です。うまく猿を飼いならしている選手もいるはず。

しかし、猿を背負うこと自体を「まちがった、愚かなこと」とばかりいうのには同調できません。

もちろん、あまりにも大き過ぎる「猿」は、本人も周囲もなんとか軽くしないといけない。でもとにかく選手たちには「大きな猿を背負ってたいへんだけど、がんばれ!おつかれさま!」といいたいです。

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