そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

私の長期投資・この20年余りのこと

私は、30代だった2000年頃から株式投資をしています。

といっても、個別銘柄ではなく、株式投資を行うファンドを複数買っているのです。私が買いはじめた当時、日経平均は1万円を切っており、株式投資への関心は、今よりも低かったと思います。

その後、夫婦共働きでそれなりの給料があった頃には、夫婦それぞれで毎月の積立とともに、ボーナスでファンドを買っていました。

当時の私たち夫婦は、今でいうFIREをめざしていました。

2000年頃からの数年間で、株価がどん底からある程度上昇したこともあり、私たちは30代の会社員としてはかなりの金融資産を形成しました。

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しかし、2000年代半ばに、私は勤めていた会社をやめて起業し、その事業に資産のかなりの部分をつぎこんでしまいました(その事業についてはここでは踏み込みません)。

「つぎ込んでしまった」というのは、その起業はうまくいかなかったということです。私は、借金こそ背負いませんでしたが、「丸裸」に近くなって事業から撤退しました。

そしてその頃、リーマン・ショック(2008年)があり、株価は急激に下がります。私は、資産の多くを株式ファンドで持っていたので、これは痛手でした。

しかし、「株はもうこりごり」となったのかというと、そうではありません。

その後も私たち夫婦は、会社勤めをしていた頃のようなぺースではありませんが、ファンドを毎月買い続けました。

失業状態になって、経済的に厳しい時期もあり、その後も安定した仕事には就いていませんが、ファンドを買うことはやめませんでした。それは今も続いています。

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そして、リーマン・ショック以後、紆余曲折はありましたが、大勢として株価は上昇し続け、ついこの間は「最高値」となったわけです。

今の私の投資額はたかが知れているので、たいした資産にはなっていません。

しかし、この10年余り、ファンドの運用益にはずいぶん助けられました。何か新しいことに取り組むとき(たとえば、妻が自分の書道教室を始めたとき、私がまたもや仕事を辞めて執筆活動に専念しようとしたとき)などに、ファンドの一部を取り崩して、そのための資金・生活費にするということもありました。

そのような資金がなければ、私たちの生活・活動は、もっと制限されたものだったでしょう。

私たち夫婦がファンドを解約するのは、自己都合でお金が必要になったときであり、相場の動きは関係ありません。

これからも、経済的余裕のあるほうではありませんが、株式相場の動きにあまり一喜一憂せず、「長期投資」を続けていくつもりです。

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以上、株式相場が激動しているなかでの、「長期投資のすすめ」です。経験に基づく、私の想い・考えです。

私は若い頃から「長期投資」を意識的にはじめ、たしかにタイミング的に幸運な面もありました(でも、暴落局面も経験しています)。

その経験から、「(10年単位の)長期投資」という考えを、つよく持っています。

たしかに、先日のように株価が大きく下がればおどろくし、資産の評価額が減るのは悲しいですが、長期投資の考えを捨てるつもりはありません。

でも、この考えは(ちがう前提に立つ)他者と共有するのがかなりむずかしいです。そのことは、この20年ほどずっと感じてきました。だがしかし、共有できる人がいることもたしかです。

そういう「むずかしさ」は承知なのですが、やはりこの機会に「長期投資」について自分の考えを発信したいと思って書きました。

 

私そういちの著書。ライフワークとして取り組んでいる世界史の入門書。2024年2月にPHP文庫から出ました。