そういちコラム

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ローコストですばらしいイス・天童木工 ペスカ

イスが好きです。あまり高くなく、でも美しく機能的なもの。財力が限られるので、ローコストで良いものに胸が躍ります。

松村勝男(1923~1991)デザインの天童木工のイスは、そんなローコストなイスの傑作です(天童木工 PESCA、写真)。

最も安い、座面がビニールクロスのモデルは3万円台(私が買った十数年前には2万円台だった)。1982年に発表された製品で、今も販売されています。

「3万円」というのは、本格的なデザインと技術でつくられたイスとしてはローコストです。写真の私のイスは黒ですが、シートはいろんな色があります。

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このイスの魅力は、写真では伝わりにくいです。撮影者(私)の腕前のせいだけでなく、プロの写真でもやはり「華」が感じられない。

でも、現物に触れると良さがわかります。小ぶりなかわいらしい感じ。そして、座り心地。背もたれの下のほうがくびれてカーブになっているので弾力がうまれ、もたれると程よい柔らかさ。

小ぶりなサイズでも、私のような体重80何キロの男が座ってきゅうくつではありません。背もたれの弾力が姿勢の自由を生むからでしょう。

そして、高品質をローコストで実現するために、パーツを少なくする等の工夫を重ねています。「背もたれ」「座面」「2本にまとめた脚」「座面の上に貼ったシート」……パーツはほとんどそれだけ。それらをおもにネジで止めている(これは作業としては比較的簡単)。

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このようにすばらしいイスです。でも「高い」という人もいるでしょう。しかし、このイスは大事に使えば20~30年もちます。私は15~16年毎日使っていますが、ほとんど傷んでいません。

丁寧にデザインされ、きちんとつくられたイスほどお買い得なものはありません。数万円で20年は使え、私たちの毎日を確実に気持ちよくしてくれるのです。

 

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