そういちコラム

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感染症は文明の副作用

感染症は、文明に必然的に伴う副作用です。多くの人間が密集する「都市化」や、遠く離れた地域と交流する「グローバル化」という文明の要素が、激しい感染症の被害という副作用をもたらしてきました。

5000年ほど前のメソポタミアでは、すでに数万人規模の都市が成立していましたが、そこには遠い地域からさまざまな物資とともに感染症も持ち込まれ、被害が生じていました。

また、西暦100~200年代のローマ帝国では疫病が大流行しました。これはシルクロードを通じた遠隔地貿易で未知の感染症が入り込み、人口100万のローマ市などの都市部で蔓延したのです。

有名な1300年代のペストの流行も、国際商業で繁栄する中世ヨーロッパの都市を、アジアを起源とするペストが襲ったのでした。

都市化とグローバル化がさらに進んだ現代世界では、感染症という副作用を撲滅するのは無理です。どうにか制御しながら付き合うしかありません。

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この記事で述べたテーマを、私そういちが取材を受け語ったものをまとめた、雑誌『プレジデントウーマン』(プレジデント社)の記事

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