この数十年の日本の繁栄の基盤は「工業製品を世界に輸出すること」でした。しかし、この基盤は中国などの新興国の台頭で揺らいでいます。
そこで参考になる事例が、衰退期のベネチアです。
ベネチアは中世に栄えたイタリアの都市国家で、アジアと西欧を結ぶ中継貿易や海運が繁栄の基盤でした。
そのピークは1400年代でしたが、1500年代には、オランダやイギリスなどが独自の海運ルートを開拓して、アジアと直接貿易をするようになり、ベネチアは大打撃を受けました。
しかし1600年代以降、ベネチアは新しい繁栄の基盤を再構築します。高級な工芸品の製造・輸出が盛んになり、飲食業・小売業・その他サービス業といった内需の産業も発展。
さらに、多くの劇場がつくられオペラという新しい芸術が生まれるなど、文化国家としての地位を確立。そして、西欧の多くの人びとを惹きつける観光立国になり、かなりの繁栄を維持しました。
どうでしょう、日本にも「ベネチア化」という選択肢があるのかも？
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