そういちコラム

数百文字~3000文字で森羅万象を語る。挿絵も描いてます。世界史ブログ「そういち総研」もお願いします。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

戦争は何故なくならないのか

誰もが「平和は大切」というけど、戦争はなくなっていません。それは、さまざまな「正義」と戦争が結びついているからです。 たとえば「貧困や格差をなくす」といった、「平和」と同じくらい強力な正義があります。 革命は一般に内戦を伴います。革命とは、…

インドカレーはいつ生まれた?

インド人はいつからカレーを食べていると思いますか? つまり、インドカレーはいつ生まれたのか。 【選択肢】ア.今から3000年ほど前 イ.1000年ほど前 ウ.500年ほど前 エ.200年ほど前 カレーとは「唐辛子・ターメリック・クミン等々の香辛料と肉や野菜などの…

秋田の「しとぎ豆がき」・シンプルで繊細なおかき

妻が秋田県の出身で、帰省のたびに秋田の銘菓「しとぎ豆がき」(製造・一乃穂)を買って帰ります。黒豆の入った薄い餅を焼いた「おかき」です。写真は20枚入りで648円。ネットでも買えます。 先日は、有楽町を歩いていて東京交通会館にあるアンテナショップ…

「科学くん」の実験

1600年頃のイタリアにサントリオ・サントリオ(1561~1636)という医師がいました。イタリアにはこういう「姓と名が同じ」名前があるそうです。ガリレオ・ガリレイもその類です。3月29日はサントリオの誕生日。 彼は、人間の体重変化を研究するため「人間が…

計量カップの考案者・香川綾という昭和の巨人

あなたは、台所で使う「計量カップ」や「計量スプーン」(大さじ・小さじ)を生み出したのが、日本人であることを知っていますか? それらは、医師で栄養学者の香川綾(かがわあや、1899~1997)が、1948年頃に考案したものです。3月28日は彼女の誕生日です…

民主主義の定義

そもそも、「民主主義」って何でしょう? 定義すると「政治的な意思決定に対し、それに従う人々(国民・民衆)が参加できること」ではないでしょうか。これは「民主制(政)」ともいいます。 意思決定に従う人びとが、その決定に直接参加できるなら「直接民…

ひとりになったとき、そこが自分の書斎

私にも、書斎と言えるものはあります。でもきちんとした個室ではなく、夫婦で暮らす集合住宅の一画を棚でラフに仕切った、3畳ほどのスペースです(「書斎コーナー」ですね)。 あとは、家のあちこちに本棚を設置して、本を並べています。友人に、「古本屋さ…

「他人への批判」から抜け出す

二十代半ばの頃の私は、読んだ本についての批判をノートによく書いていました。「あの本のここがダメ、なぜなら…」といったもの。この頃、多少勉強して力がついた感じがしたので、その「実力」を使ってみたくなったのです。 自分が信奉する立場とは異なる考…

オイルランプの明かり

以前にテレビでみたのですが、停電の際に、シーチキンの缶を明かりにする方法があるそうです。缶の中身にティッシュをよってつくった灯芯をさしこみ、火をつける。灯芯はシーチキンの油を燃料にして1時間ほど燃え続けるとのこと。 また、陶器や金属の器に食…

欧州の新しい「壁」・人類は壁をつくってきたが、それは破られてきた

ウクライナのゼレンスキー大統領は、先日(3月17日)ドイツの連邦議会におけるリモート演説で「欧州の新しい壁を壊してください」と訴えたそうです。つまり「自由」と「非自由」を分かつ壁が、今の欧州にできているのだと。(日経新聞2022年3月18日など) …

今日の名言 黒澤明 脚本は映画の苗

【今日の名言】黒澤明(映画監督、1910~1998) 3月23日は黒澤明監督の誕生日。彼はこんなことを言っています。 脚本は、映画の苗だ。 つまり「映画にとって、脚本はすべての基礎となる設計図」ということです。 脚本がダメだと、演出や役者の演技や、そのほ…

コロナ禍の時代の卒業生へ

卒業シーズンには、巣立っていく若者へのメッセージをよく見聞きします。先日私はラジオで聴いたつぎのメッセージに強い印象を受けました。コロナ禍でいろいろな「やりたいこと」ができなかったにちがいない、卒業生たちへの言葉。 それでもみなさんは、自由…

体系だった世界観・なぜカルトにひきつけられる?

昨日(3月20日)は1995年に地下鉄サリン事件が起こった日で、新聞・テレビなどで、当時をふりかえる報道がありました。オウム真理教というカルト教団が、都内の地下鉄に猛毒のサリンをまいたテロ事件。あれから27年も経つのですね。 当時の私(読書が生きが…

「災害の時代」の暮らし方

これからの日本は、水害や地震などのリスクが高い「災害の時代」になっていくのかもしれません。政府は防災のための投資を増やす必要がありますが、そんな財政の余力があるかどうかは疑問です。 だとしたら、自分でできることは何か。ある専門家は「とにかく…

コラムを書いてみよう

このブログの記事はどれもコラムの一種です。コラムとは、数百~1000数百文字くらいの短い論説文のこと。論説とは、一定の事実・対象について説明や主張を述べたものです。「天声人語」などの新聞の1面のコラムは、500~600文字です。 私はこれまで、読者が…

「う」のひきだしの情報術・向田邦子のエッセイから

作家・向田邦子さん(1929~1981)は、おいしいものが大好きでした。彼女のエッセイに食べ物のことはよく出てきます。お菓子や酒の肴や日常の食品について「どこの何がうまいか」に詳しかった。 そんな向田さんは、“「う」のひきだし”というものをつくってい…

「ジョブ型・メンバーシップ型」で日本の雇用システムを読み解く

少し前に濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書、2021年)を読みました。 この本によれば、雇用システムの2つのあり方として「細分化した業務(ジョブ)に専門の労働者を割り当てる」(ジョブ型)と「多くの職務を遂行する労働者で組織が成り立…

昔ながらのホウキとコードレス掃除機

写真は、この10年弱の間我が家で使っているホウキです。神奈川県の旧中津村で明治以来つくられてきた「中津箒」というもの。 今どきの一般的なホウキより穂先が柔らかくしなやか。最近のホウキの穂先は、たいていアシやイグサやシュロですが、中津箒はホウキ…

「国際社会」は存在するのか?

常々思うのですが「国際社会」という言葉には、どうも違和感があります。その言葉を使う人が一般に志向する、平和や人権を大切にする価値観じたいは、私も共感します。 それでも「“国際社会”といえるものが、この世界に実際に存在するのか?」と疑わしく思う…

今日の名言 カエサル 見たいものしか見ない

【今日の名言】カエサル(ローマ帝国の基礎をつくった、事実上の初代ローマ皇帝、紀元前100~前44) 人は見たいものしか見ない。 これは、2000年余り前に数々の戦争や政治的な闘争を勝ち抜いた、ユリウス・カエサルの言葉を元にしています。 私たちがこの言…

本は買おう、でも図書館も使おう

あなたの生活する地域に図書館はありますが? 「ある」という人は幸いです。もし、読書したくても本にお金をかけられないなら、ぜひ図書館を活用しましょう。 でも読書の世界をさらに深めるなら、できる範囲で本を買うことも、やはりおすすめします。 あたり…

近代化とは模倣である・その難しさ

エリック・ホッファー(1902~1983)という思想家は、“近代化とは基本的に模倣”だと述べています。それは“後進国が先進国を模倣”する過程であると。 そしてこうも述べています。 “自分よりも優れた模範(モデル)を模倣しなければならないときに苦痛を感じさ…

新書のすすめ・新書には、本の世界のエッセンスが凝縮されている

あまり読書したことがなくて、「どんな本から読んだらいいんだろう」という人には、新書がおすすめです。 新書とは、173ミリ×195ミリまたはそれに近い判型(サイズ)のシリーズ本のことです。岩波新書、中公新書、講談社現代新書などが、新書の代表的な老舗…

仕事の手を止めない人たち

東日本大震災(2011年)のあった3月11日には、亡くなった方たちを悼む人の姿がみられます。少し立ちどまって、日常の手を止めて、それは行われます。意義のある、大事なことです。 一方で大災害に直面したときでも「とにかく、ふだんの仕事の手を止めない」…

「計画された偶然」と鍛錬

よく「明確なキャリア(職業)のプランを持とう」と言います。しかし、現実はなかなかプラン通りにはいかないもの。プランにこだわるより、現実に起きたことに柔軟に対応して自分を発展させるほうが重要です。 そこで、普段から準備や働きかけをして、より良…

小さな荷物で旅に出る

写真は、何年か前に夫婦で6日間の国内旅行をしたときのカバン。右の赤いリュックは私のです。学生が通学に使うくらいの、大きくないもの。左の手さげは妻のです。 私たち夫婦の旅行は、いつもこんな感じです。海外旅行(最後に行ったのはだいぶ前ですが)も…

がんばるなかれ 水木しげるの言葉

3月8日は漫画家・水木しげる(1922~2015)の誕生日。そして今年(2022年)は生誕100年。 水木さんの言葉に、“少年よ、がんばるなかれ”というのがあります。“ときどき怠けることは、生きていくうえで大切なことです”とも言っている。(水木しげる『がんばる…

なじんだ店やモノがなくなることが増えた

最近、沿線にあるよく行った喫茶店が閉店してしまいました。チェーン店なのですが、アルバイトの店員さんがコーヒーを持ってきてくれる昭和的なサービスの店でした。 オープンして40年経ってかなり古びてはいましたが、懐かしい感じの広々した店内の雰囲気が…

第二次世界大戦の犠牲者数

第二次世界大戦(1939~1945)による世界全体の死者は、軍人2305万人、民間人3158万人、計5400万人余りにのぼりました(ウッドラフ『概説現代世界の歴史』による)。 なお、1940年の世界人口は23億人です。2020年の世界人口78億人(23憶の3.4倍)で換算した…

ささやかな愛用品・ハイテックC

パイロット社製の「ハイテックC」という、200円ほどの水性ボールペンをずっと使っています。線の太さがいろいろある製品ですが、私は0.4ミリ。 肌身離さずこのペンを持ち歩き、たまに忘れてほかのペンで代用すると落ち着きません。 ありふれた実用品ですが…